【ドル円】大口って具体的に誰?

相場

相場を動かしてるのは個人投資家ではなく大口というのはよく聞きます。

でも大口って具体的どんな人たちよ?

というわけで、ドル円の大口についてまとめました。

ドル円の大口は大きく分けてふたつです。

  • 機関投資家
  • 実需勢

機関投資家:GPIFと保険会社

機関投資家といわれても イメージがわかないですよね。

ドル円では具体的に以下のふたつです。

  • GPIF
  • 保険会社

世界最大の機関投資家GPIF

GPIFは世界最大の機関投資家と言われ、その運用額は160兆円です。

このGPIFが何者かというと、厚生労働省からの委託で年金を管理、運用している団体です。

実は私たちの年金は投資に回されてるんです。

マジか……。 損したらどうすんだ。

って思いますよね。

もちろん失敗できないので、手堅い運用でその運用先もしっかり決められています。

  • 日本株
  • 日本債券
  • 外国株
  • 外国債券

今は それぞれ 25%ずつです。 この割合は変わることがあります。

でもこの中に FXは入ってないですよね。

GPIFとドル円

GPIFの運用先の外国株と外国債券の「外国」は、ほぼ米国です。

米国株、米国債券は日本円では買えないので、これらを買うためにドルを大量に買ってくるわけです。

つまりGPIFは基本的にドル円をロングしてくるということですね。

米国株や債券をなるべく安く買うためには ドルをなるべく安く買いたいので、ドル円が下がってきたら大量の買いを入れてくると。

世界最大の機関投資家=最大のドルの買い手でもあるので、その動きには特に注意しましょう。

動きを知る具体的な方法としては、GPIFはドルを買うときに銀行に注文を出しますが、もちろん銀行のディーラーがそれを口外にすることはNGですが、なぜかそういった情報がツイッターには流れてるんです。

これGPIFが買い入れてんじゃね?って思ったらツイッターで「GPIF」で検索するとわかるかもしれません。

GPIFはドル円を売ることも

GPIFは基本的にはドル円ロングなんですが、ヘッジ売りをしてくることがあります。

例えば、GPIFが買った米株自体の価格が上がらなくても、ドル円が上がったらその株は含み益になりますよね。

ドル円が上がったところで新規のドル円ショートを入れれば、その時点で利確と同じ意味になります。

ショートを入れたタイミングからドル円が下がったらのみ益が減りますが、同じ分ショートが含み益になるので。

ドル円はレンジになりやすいと言われますが、GPIFのこの動きもその要因のひとつと言われています。

保険会社

生命保険などの保険会社も集めたお金を運用しています。

マジか……。 損したらどうすんだ。

なのでこちらもリスクの低い運用スタイル。

基本的にはGPIFと同じ動きをしてきます。

実需勢:輸出・輸入企業

為替相場へのかかわり方には2つのタイプがあります。

  • 投機勢
  • 実需勢

投機勢は 為替変動で差益を得る人たち、つまりFXをやる我々のような人たちのことです。

実需勢は為替の本来の目的である外貨両替として相場にかかわっている人たちで、具体的には輸出企業や輸入企業のことです。

ちなみに市場の95%は投機目的と言われています。

輸出企業はドル円ショート

輸出企業は 例えばアメリカで商品を売ったらその売り上げは当然ドルで入ってきます。

でも日本の企業なので ドルのままでは社員に給料を払えないので、円に変えなければなりません。

となると、ドルを売って円を買う、つまりドル円ショートしてくるというわけです。

ただ彼らは相場のプロではないので、チャートを見て売ってくるというわけではありません。

それで失敗して損したらえらいことになるので。

なので いくらになったら売るという風にレートで決められています。

とはいえ今売ったら 損なのか得なのか基準がないと決められませんよね。

その基準になるのが想定為替レートです。

想定為替レートをチェックしよう

想定為替レートは企業が業績の見通しや事業計画を立てる際に事前に決めておく為替レートです。

これは日銀短観でみることができます。

輸出企業は このレートを上回れば想定より利益が出るので売ってくるわけです。

今ならこのレートが107.95なので、これより上は輸出企業の売り圧力がかかるので上値が重くなるという見方ができます。

輸入企業はドル円ロング

日本の輸入は原油、天然ガスなどのエネルギー資源です。

外国からこれらを買うときはドルで支払うので、輸入企業はドルを買ってきます。

相手国がアメリカじゃなくてもドルです。

ドルは基軸通貨なので、例えばドルと全然関係ない韓国とブラジルの取引でもドルで取引されます。

高く売りたい輸出企業とは逆に、輸入企業はなるべく安く買いたいので下がった時にロングしてくると。

五十日の仲値前の上昇に注意

企業は銀行にドルを注文しますが、レートは刻一刻と変化するので、その都度違うレートで計算していたら大変です。

なので、その日の両替レートはこれ!というふうに決めてしまうのが仲値。

仲値は 9:55時点でのレートで決まります。

五十日(5と0がつく日)は 9:30くらいから仲値に向けてドル円が上昇しやすくなります。

理由は、銀行が仲値に向けてドルを買い込んでいくから。

銀行がドルを買い込んでレートが上がれば仲値が仕入れた値段より高くなります。

そうすると銀行は企業に仲値でドルを売るので儲けになると。

特に五十日は企業の締め日になることが多く、ドル買いの注文が増えるので上がりやすくなるわけですね。

相手がわかれば動きの想定もしやすい

というわけで、ドル円の大口についてまとめました。

こうして相場にかかわっているプレーヤーがわかれば、だれがどの辺でどんなことをしてくるのか想定しやすくなりますよね。

ここにあげたのが全てではないかもしれませんが、動きについての基本的な考え方は同じなはず。

こまかいところは徐々に知識を入れて精度をあげていきましょう。

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