FOMCでYCCが導入されたらドル安になる理由

ファンダメンタルズ

6月10日のFOMCはYCCが導入されるかどうかが注目されています。

でもYCCってなに? それでドルはどう動くの?

YCCの説明自体はそこそこに、要するにどんなことが起こるのかをまとめました。

YCC導入=ドル安になる

YCC(イールドカーブコントロール)は長期金利と短期金利を調整することです。

金利には2種類あります。

  • 一年未満の短期金利
  • 一年以上の長期金利

短期金利の代表例は政策金利です。 中央銀行が一般の銀行にお金を貸し出すときに受けとる金利です。

長期金利の代表例は10年国債です。

で、YCC(イールドカーブコントロール)が導入されるとドル安になる公算が高いんですが、それがなぜかを今の環境から整理していきましょう。

今はリスクオン相場で長期金利上昇

6月5日の雇用統計の結果が良かったのは記憶に新しいところ。

それでリスクオン継続=株高となっているのが今の状況です。

YCCは金利の話になるので、その前に株と債券の関係を整理しておきましょう。

株高になると債券は安くなります。

株と債券の特徴は

  • 株:リスクは大きいけどリターンも大きい
  • 債券:リスクは小さいけどリターンも小さい

今はリスクオンでみんなリスクをとって儲けにいってるから株が上がっています。

こんなときはみんな株を買うので債券は売られます。

株が上がっているので株を買えば儲かるのに、わざわざ儲けの小さい債券に資金を投入する必要ないですからね。

つまり、株と債券の関係を整理すると

株高 → 債券安
株安 → 債券高

になるということですね。

つまり今は債券が安いということになります。

では債券が安いとどうなるかというと、長期金利が上がります。

株が上がると債券を買う人がいなくなりますが、金利が上がれば債券を買う人が増えるので。

で、金利が上がるとドルも上がります。

ドルが上がる理由は、金利が高いドルと金利が安い日本円どちらにお金を入れたいですか?

もちろん金利が高いドルですね。

ここまでを整理すると

株高 → 債券安 → 金利上昇 → ドル高

アメリカはゼロ金利政策中

アメリカの中央銀行FRBはコロナショックで史上初、2度の緊急利下げをしました。

金利を低くして お金を流通させ経済を刺激するためです。

FRBが決められるのは短期金利の方です。

せっかく 短期金利を下げたのに、株高で上昇した長期金利が邪魔になってきます。

せっかく経済を動かそうとしているのに、長期金利の方にお金がいってしまうので。

ここでYCCです。

YCC=長期金利の調整

FRBにとって長期金利上昇は邪魔なので抑えたいところ。

ではどうやって長期金利の上昇をおさえればいいでしょうか。

もういちど さきほどの株と債券と金利の関係を見てみましょう。

株高 → 債券安 → 金利上昇 → ドル高

金利の上昇は 債券安なので債券高にすれば金利上昇を抑えられそうです。

どうやって債券を高くするかというと、債券を買うんです。

つまりYCCは中央銀行が債券を買って長期金利を調整するということです。

そしてYCCで長期金利の上昇を抑えると、ドルの需要が減るのでドル安になるというわけです。

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