トレンド順張りの代表、パーフェクトオーダー。

そりゃあ移動平均が3本も向きが揃ってれば手堅いだろうけど、
エントリー遅くない? めったに揃わなくない?
などの疑問があったので、ドル円 1時間足で1年分 過去検証してみました。
先に結果をいうと、27勝 10負 16分(分については本文で)で、勝率は 66%、損益はプラスでした。
結果の数字だけ見ると悪くないですが、そのまま使えるかというと微妙なところ。
その辺について詳しくまとめました。
パーフェクトオーダー検証内容と結果
最初にパーフェクトオーダーを検証した中身について説明します。
一応、パーフェクトオーダーについても確認しておくと、
上昇トレンドなら上から短期移動平均線、中期移動平均線、長期移動平均線の順番に並ぶこと。
下降トレンドならその逆。
条件について
まずは検証の素材についての情報です。
通貨ペア:USDJPY
期間:2019年1月〜12月
ローソク足:1時間足
移動平均線:SMA(5, 20, 80)
5と20は割とよく使われるけど、80はあまり見ませんよね。
これには理由があって、5から20は4倍なので、長期線は20の4倍の80としました。
長期線でよく使われる200とかにすると、長期線だけ揃いにくい みたいなことがおこりそうだったので。
あと、1時間足を基準に15分足や4時間足に変えたときに 4の倍数だと違和感ないかなと考えての 5、20、80です。
続いてエントリーと勝敗の基準についてです
エントリー基準:中期線と長期線がクロスしたときの足の終値
損切(負け判定):直近安値(または高値)
利確(勝ち判定):損切り幅と同値(リスクリワード 1:1)
分け判定:中期線と長期線がクロスしてパーフェクトオーダーが崩れた時

パーフェクトオーダーを一年分検証した結果
下の表が結果になります。
「分け」については 損益がプラスの場合とマイナスの場合があるので、それぞれ「分け+」と「分けー」で区別してます。
回数 | 損益(pips) | |
勝ち | 27 | 1324.9 |
負け | 10 | -356.5 |
分け | 16 | -40.4 |
(分け+) | 8 | 178.4 |
(分けー) | 8 | -218.8 |
合計 | 53 | 928.0 |
勝率(分け+も勝ちでカウント)は 66% でトータルでも利益になってます。
数字的には悪く無いですね。
利確を損切り幅の 1.2倍、1.4倍、1.6倍、つまりリスクリワードを1.2倍〜1.6倍にしたケースでもやってまして、下の一つ目の表が勝ち負け回数、次の表が損益(pips)になります。
リスクリワード | 1.0倍 | 1.2倍 | 1.4倍 | 1.6倍 |
勝ち | 27回 | 22回 | 22回 | 20回 |
負け | 10回 | 10回 | 10回 | 10回 |
分け | 16回 | 21回 | 21回 | 23回 |
(分け+) | 8回 | 11回 | 11回 | 13回 |
(分けー) | 8回 | 10回 | 10回 | 10回 |
勝率 | 66% | 62% | 62% | 62% |
リスクリワード | 1.0倍 | 1.2倍 | 1.4倍 | 1.6倍 |
勝ち | 1324.9 | 1153.1 | 1345.3 | 1191.4 |
負け | -356.5 | -356.5 | -356.5 | -356.5 |
分け | -40.4 | -5.3 | -5.3 | 50.5 |
(分け+) | 178.4 | 292.3 | 292.3 | 348.1 |
(分けー) | -218.8 | -297.6 | -297.6 | -297.6 |
合計 | 928.0 | 791.3 | 983.5 | 885.4 |
リスクリワードを上げて 利確を遅らせると「負け」が増えると思いますが、「分け」が増えてます。
これは利確に届かなくて反転しても、損切りになる前にパーフェクトオーダーが崩れて「分け」になるから。
なのでリスクリワードを上げても損益はほとんど変わらない結果でした。
パーフェクトオーダー検証結果考察
今回の検証結果を考察して出た結論は、
パーフェクトオーダーはエントリーの根拠としてはイマイチだが、利を伸ばすには有効
です。
これに至った理由を順番に書いていきます。
遅すぎるエントリー、でも負けない
ただでさえ遅行指標の移動平均が3本も揃うのを待つので、どうしてもエントリーは遅くなります。
特に急落・急騰後は感度の高い短期線と中期線が引っ張られパーフェクトオーダーが成立しやすくなります。
パーフェクトオーダーを根拠にエントリーすると、下の画像のように普通なら入らないような遅いタイミングでエントリーすることがあります。




今回は直近高値または安値を損切ラインにするルールなので、急落・急騰後のエントリーは損切り幅が大きくなるので、なかなか損切りには掛かりません。
損切りになった場合は大損しそうですが、損切りに掛かるとしたら、
急落 → エントリー → 全戻しからの高値更新
が移動平均線が追いつくより早く行われたときだけ。
全戻しまでに時間がかかれば、「分け」で終わるので、意外と大損はしなさそうです。
少なくとも今回検証した1年の中にはありませんでした。
とはいえ、実際のトレードで急落・急騰後に自信をもって入れるか、そもそも入る必要があるかというと微妙なところ。
もう少し早めにエントリーする他の手段がほしいです。
少なくとも急落・急騰後の押し目で入りたいですね。
崩れるまで利確は引っ張った方がよさげ
パーフェクトオーダーが成立するのは強いトレンドが出ているときなので、最初から利確幅を固定で決めておくとモッタイナイことがあります。




パーフェクトオーダーが成立している間は利確を引っ張り、パーフェクトオーダーが崩れた時に利確にすると良さそうです。
もちろん結果的にそこまで強いトレンドじゃなかった、という場合もあります。
下の画像のように利確幅を決めておくと、たまたまてっぺんを取れることもありますが、それでは運任せになってしまいます。

この画像の場合、パーフェクトオーダーが崩れるのを待つと微益で終わってしまいます。
でも、小さなトレンドで最大を取るより、大きなトレンドで最大を取れた方がトータルでの利益は大きくなるはず。
まとめ
パーフェクトオーダーについて検証をしました。
検証をはじめたばかりのときは「エントリー遅すぎるな、やっぱダメかな」だったのが、「意外と負けないな」に変わりました。
かなり遅いエントリーでも大きく負けることは少ないんですよね。
トレンドに対して順張りの大切さがよくわかりました。
パーフェクトオーダーはトレンドの継続、終了を判断するにはとても有効な手段です。
ただ、これだけを根拠にエントリー、利確をするのは無駄な部分があるので、他の手法と組み合わせて使うとよさそうです。
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